感情を解放するーブランドン・ベイズのジャーニー
過去にトラウマなどを経験して、その影響が残っている場合。
人は日々様々な感情を経験していますが、典型的に小さな子供の場合を見ると、欲しい物が与えられなかったり、悲しかったりしたら子供はすぐにその感情を表現します。
一通り泣き叫んでしまうと、その後、結構ケロッとしていることも多いと思います。本来はこれが自然な感情の表現なのです。
しかし、最近の子供は大人のような振る舞いを小さい頃から期待され、身に着けてきていますから、比較的小さな頃から自分の感情を抑圧してしまう傾向にあります。
また、ある程度大きくなった人の場合、人の目、或いは自分に期待される役割を意識して、この感情を表現しないことも多くなってきます。
このような表現されなかった感情が体の中で消化されていればよいのですが(例えば、時々ガス抜きをする機会があるなど)、時にはこれが蓄積して体に負担となってきます。
何度も繰り返される感情的経験は、本当は体がその感情が蓄積されているから、それを出したい、解毒したいということなのですが、このように感情を出さないで溜めてしまうと、次には肉体レベルの症状として出てくることになります。
これが肉体レベルで病気になる、あるいはある症状が出てくる大きな理由だと思います。
セラピーでは、過去や最近のその方がどのような経験をしてきて、そこでどのような感情を持ってきたか、そしてその感情を表現して解消する機会を持ってきたかどうかを判断して、感情の解放のお手伝いをします。
人の感情には様々なものがありますが、突き詰めていくと、結局は恐怖、悲しみ、そして怒りになっていきます。
巷には、過去のトラウマを再体験することによって、その感情を解放しようとするセラピーもあるようですが、これも一つの方法です。
実際にそのエッセンスとなる感情を感じた典型的な経験を思い出して、そこでの感情を解放してしまえば、その後の数々の経験の一緒に解決してしまうことも少なくありません。
ブランドン・ベイズ氏が提唱しているジャーニーというセラピーでも、これを狙ってワークをしていきます。
但し、あまり個別のトラウマ経験の細部に拘ってしまうと、ネガティブなものばかりに集中してしまいますから、感情を通り抜ける時間は出来る限り短いものとすることも大切かと思います。
前述の通り、だいたい恐怖・悲しみ・怒りの3つくらいのどれに相当するかを確かめて、それを通り抜けることに集中するほうがよいかと思います。
尤も、怒りの層の下に悲しみの層があり、それを通り抜けると存在の恐怖の層がある場合が多いですが。
怒りを本当に強く経験すると、それは自分の体が火で燃え尽きて灰になるような体験をすることもあります。
悲しみの場合は、自分が液体になって、地面の上にある水溜りになる体験。
恐怖の場合、自分の存在が消えてなくなる体験。
ここまで行くと、それを通り抜けた向こう側にあるものが、いわゆる「無」、「全体」、「宇宙」、「光」、あるいは「愛」であることが体験できます。
これは、ある意味で悟り体験のようですが、人生は奥深いものがありますから、本当の悟りとはもっともっと深く、大きなものなのでしょう。